新潟県内には、数多くの豪農の館が残されています。公開されているものもありますが、現在も住居として使われていて、未公開の建物も少なくありません。そのなかで、新潟県内の最古の建物といわれるのが長谷川邸です。昭和57年(1982年)国指定重要文化財となり、主屋・表門・井籠蔵・帳蔵・新蔵・庭塀・裏門などが指定を受けて公開されています。
長岡市南郊の旧越路町塚山に長谷川邸はあります。長谷川家は江戸初期から代々大庄屋を務め、幕末には近郊4ケ村の耕地・山林の7割を所有するほどでした。2500坪程の敷地中央に建つ主屋は、県内最古の建物とされており、鍵状に配された座敷は格式高く整った空間となる一方で、その他の居室部は板敷きのままで、土間が極端に広く独立柱が配置され伝統を感じさせてくれます。
長谷川家は地域最大の地主でしたが、塚山宿は当時交通の要衝でもありました。長鳥川沿い の広田の下流に北条があり、そこは越後毛利氏の居城でした。越後毛利氏の支配したこの地域は鯖石川を横断できる場所として最も下流の地点で、街道は柏崎平野を横断せずにここまで迂回し、山並みに沿って北上しました。
柏崎港から届いた物産は北条から塚山を経由して長岡や小千谷やその先の魚沼に運ばれたのではないでしょうか。
長谷川邸の現在の母屋は、茅葺寄棟造りの約300年前に建築されたもので、周囲には幅2mから4mのお堀を巡らし、その内側に土塁の生垣、正面には城門級の大扉のある長屋門形式の茅葺寄棟造りの表門があります。
敷地は街道に面した間口約70メートル、奥行120メートルと広大な物で、周囲に濠をめぐらせているのが特徴です。主屋は宝永3年(1706)の大火で類焼し、享保元年(1716)に再建されたと伝えられています。
【問合せ】
長谷川邸
開館期間:4月1日~11月30日
開館時間:9:00~16:30
住所:新潟県長岡市塚野山773番地1
TEL:0258-94-2518
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